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耶律の時事放談

TikTokの利用禁止は、いじめか?

TikTotの利用禁止は、いじめか? 

 中国の王毅外相は、新華社通信のインタビューの中で、アメリカがTikTokなどの中国企業に圧力を強めていることについて、「典型的ないじめだ」と批判した。

 また、トランプ政権内から中国の政治体制に批判が出ていることについては「アメリカは中国を望み通りに改造する幻想を捨てるべきだ」とも批判している。

 どちらの発言も中国の国営メディアに対するものである。

 こうしたアメリカが推進する動きは、中国でも人民に知らされているようだ。

 メンツ社会の中国で、公に出て発言する人は、決して負けを認めることは言えない。スポークスマンしかり、外相しかりである。

 メンツを重んじる前向きの風潮は、中国のバラエティ番組でも普通に見られる。

 司会者は、常にゲストたちの立場を気にして、ゲストの発言に、「ハオ―(好)、ハオ―」をくりかえす。日本のようにゲストを批判したり、ちゃかしたりすることはない。見ていると面白くないかもしれない。しかし、中国では、それが普通で、下向き、後ろ向きの姿勢や暗い表情は禁止なのだ。

 陽には陽で対応し、力には力で対応する。これが中国のやり方である。喧嘩を売られたら、喧嘩でかえすしかないのである。だから妥協点を見出すのはきわめて難しい。

 だが、中国人は、弱者には親切に接する。自分の方が下だと認める相手には、打ち解ける。最初は会話をするのも難しいが、弱さを認め、打ち解けてしまえば、もうたいへんなくらいに接近してくる。それが中国人である。

 王毅外相はインタビューの中で、「対話こそ問題解決の前提だ。我々はいつでも様々なレベルの対話を再開できる」とも述べている。これは、米中関係の改善に前向きな姿勢を示したとも見える。しかし、そうではない。

 アメリカの仕打ちを「典型的ないじめだ」とは言っているが、中国が弱者であると認めたのではない。

 だから、対話の再会は、アメリカが頭を下げてから行うという意味である。そして、中国にへりくだるまでは、改善への道が開かれないという意味である。